2018年3月22日木曜日

古代の占いを書道博物館でみる

日本酒の『真澄』のラベルの文字や、新宿中村屋のロゴを書いた人を知っていますか?

知っていたらなかなかの博識教養人と崇めます。

台東区根岸に「書道博物館」という書道関連の展示、研究施設があります。

そこのコレクションは中村不折氏という、画家のち書家になられた方のもので、冒頭の揮毫もされたのです。




中村屋の文字はお馴染みですし、書いた人は知らなくても、文字は誰でも目にしていますよね。

書を鑑賞するというと、絵よりさらに敷居が高いようでなかなか興味が湧かない方も多いと思うのですが、書道博物館では作品ごとの特徴とどのように鑑賞するかのポイントが解説に書いてあります。

なんて親切なんでしょう。

初心者でも書道の知識がなくても大丈夫。

文字と書を見るための指南を授けてもらいながら、貴重な作品の数々を鑑賞できます。

初期の文字というのは落書きのようにもみえる絵であり、ビジュアル的にもおもしろいです。

占いの黎明期は亀の腹甲や牛の骨を焼いて、その亀裂の入り方で吉凶を占っていたわけですが、その実物が書道博物館でも見れます。

甲骨文字はその時に刻まれた文字で、紀元前はるか古の占いの遺物を目の前に、時空を超える静かな感動があります。

数千年前の占い師が行った占い、動物の亀骨に刻まれたその内容。

甲骨文字を眺めながら、とても素朴な「天意を伺う」という神聖な行いに思いを馳せると、古代人の息吹が聞こえてくるような気がしてきます。

また、ここには書のみならず、文字の刻まれた歴史的な遺物がたくさんあり、仏像や古代の瓦などいろいろな物があります。

その中に、易経の中に出てくる古代中国の器物もたくさん展示されています。

「鼎(かなえ)」という三本足の鋳物は、易にもよく出てくるので、私も時々立噬の結果をお話する際に説明したりします。

しかし、現代人の私たちは鼎を日常生活で使用するわけではないので、こういった実物を実際に見て、リアルな鼎を自分の中に落としこむ事はとても大事なことだと考えます。

どのような形で、どのような使用法で、持ち手はどこにあって…と、実際の鼎を見る事でインスピレーションを増幅し、易の示しを現代的に捉え直す作業に、より確かな裏付けを行えると思うのです。

易は真理ですが、古い言葉で書かれていますので、現代へ合った形への翻訳は必要です。

古の実物を見て研究する事で、その感覚を磨きます。

書道博物館のものは文字の彫られた記念品のような、実際の使用があったのかはわかりませんが、大いにフィールドワークしてまいりました。

学んだら次は実占へ活かすこと。

机にかぶりついて本を読んだりするだけでは得られない勉強は、実際の占いをより奥深くしてくれると思います。

書道博物館にはこじんまりした素敵な庭園もあります。




目の前にある『子規庵』も風情があってオススメです。

鶯谷のホテル街を歩いていくのが恥ずかしい時は、日暮里方面から歩いてくれば安心です。

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