映画化されていたんですね。
その昔、親交のある占い師の先生と小説の貸し借りをしていました。
私が有吉佐和子の『一の糸』をお貸しして、先生からは沼田まほかるの『彼女がその名を知らない鳥たち』をお借りしました。
まほかる氏の小説は他にも何冊か貸して頂きましたが、ラストが最も心に残ったのがこの本でした。
救いがあるのか、救われないのか、よくわからない幕切れですが、でも最後の最後に純な愛をみるような。
まほかる氏の小説は人間の業のような部分をえぐるので重い内容ですが、この小説は切ないかな。
綺麗事ばかりではない愛を、倒錯の中で綺麗に描ききったようなラストと思いました。
愛は複雑。愛し方も複雑。
『アミダサマ』という本の最後のほうの怒涛のシーンを読んでいると、どうしても易の卦の「坎為水(かんいすい)」を文章で映像化したものを見てるような心持ちになるのです。
坎為水は四難卦といわれ、易の中でも最も苦しい卦で、水の底の暗い絶望の卦でもあります。
沼田まほかるさんはご自身もいろいろと経験された方のようですが、小説を読んでいるとその事が偲ばれます。